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観光庁が公表した「日本版持続可能な観光ガイドライン」の概要とその活用方法の解説

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出所:観光庁

日本版持続可能な観光ガイドラインとは

観光庁が、自治体や観光地域づくり法人(DMO)が持続可能な観光地マネジメントを行うことができるように、国際基準のGSTC-D(Global Sustainable Tourism Criteria for Destinations)に準拠し開発。

ガイドラインの3つの役割

自己分析ツール

持続可能な観光に向けての効果的な取組を実施するために、多くの地域では「何かやらなければいけない」 との意識はあるものの、実際にはその手段、方策が分からず、またその具体的ツールがないといった状況が見られます。
そこで、ガイドラインによる自己 分析を通じて得意・不得意分野、未達成の課題などを客観的・定量的に把握することで、地域が目指す姿やとるべき施策を明確にすることが可能となります。

コミュニケーションツール

自己分析の結果を公表することで、住民や事業者を含めた地域のステークホルダーと現状を共有することができます。
そうすることで、地域における持続可能な観光に関する理解促進を図るとともに、今後の地域づくりや観光の取組についての意見交換、合意形成に向けた有効なコミュニケーションが行えます。

プロモーションツール

地域の取組に箔をつけることにつながります。「日本版持続可能な観光ガイドライン」に基づく取組を行っている地域は、そのことを示すロゴマークが使用可能なため、対外的に持続可能な観光への取組を行っていることを示すことができます。

ガイドライン導入のステップ

ガイドライン導入に向けては、以下の手順で進めるとよいとされています。

実施主体での意識を高める

ガイドラインを活用することについて、できるだけ多くの関係者(ステークホルダー)に伝えることが重要です。取組への参加者を増やし、地域における持続可能な観光へのコミットメントを認識させることによって、指標に基づいて実施する取組への参加、協力を促すことができます。

観光地としてのプロフィールを作成

観光地(デスティネーション)としてのプロフィールを作成し、関係者間で共有する。これにより共通認識を持って取組にあたることができます。

関係者間におけるワーキンググループ( WG)の形成

地域住民、ホテル・旅館、ツアーガイド、商工会議所等、観光に直接関わる関係者だけでなく、できるだけ幅広い分野の関係者をWGのメンバーとすることが推奨されています。

役割と責任の確立

WGメンバーについて、主にどの項目を担当するのかを明確にし、責任感を醸成した上で効率的に取組を進めることが重要です。

ガイドラインの各項目に基づくデータの収集・記録、取組の実施

最初は、地域にとって特に重要だと判断される項目のみを選定し、継続可能な状態で取り組むことが重要です。

結果の分析

WGにおいて集約された情報を確認・分析し、年次・中長期的目標を設定する。

継続的な開発・改善

項目とデータを定期的に見直し、地域の実情に応じて可能な範囲で採用する項目を追加する。
また、当初に選択しなかった別の項目に取り組むことはもちろん、すでに選択している項目について、推奨されている「ネクストステップ」にも取り組むことが重要です。

ガイドライン基準の構造

基準は4つのセクションからなり、それぞれ2つ又は3つのサブセクションがあります。

SECTION A:持続可能なマネジメント

A(a)マネジメントの組織と枠組み
A(b)ステークホルダーの参画
A(c)負荷と変化の管理

SECTION B:社会経済のサステナビリティ

B(a)地域経済への貢献
B(b)社会福祉と負荷

SECTION C:文化的サステナビリティ

C(a)文化遺産の保護
C(b)文化的場所への訪問

SECTION D:環境のサステナビリティ

D(a)自然遺産の保全
D(b)資源のマネジメント
D(c)廃棄物と排出量の管理

先進事例

<データ把握>

訪日旅行者の移動データの活用(Vpon Japan)

Vpon.Japan株式会社では、アジア全域約1億IDの旅行者データを活用したデータ分析を行っており、旅行者の移動分析、滞在分析、インサイト(興味、関心等)分析が可能。訪日旅行者の行動経路、国籍単位での興味関心・属性など旅行者の実態を把握することで、効果的な施策へとつなげていくことができる。旅行者データはモバイルデバイスより取得可能な位置情報データ、利用アプリデータ、閲覧サイトデータ、端末言語、レシートデータ、広告配信データなどをもとにしている。特色として、他では入手しづらい中国人(本土)のインバウンドデータを把握可能(1億IDのうち約6,000万が中国人(本土)のデータ)となっている。.当該データの収集については、同社の広告ネットワークを駆使し、中国本土と繋がっているパートナー地域からデータを入手している。

<データ把握、受入環境整備>

顔認証技術を活用した顔決済・顔パスによる旅行者の動態把握(和歌山県南紀白浜

日本電気株式会社と南紀白浜の観光関連企業各社は、2019年1月からNECの顔認証技術を活用した観光客の利便性向上と、滞在先での動態把握における実証実験「IoTおもてなしサービス実証」を始めた。 観光客はスマートフォンから顔情報とクレジットカードを一度登録すれば、地域内の土産店やレストラン、ホテルなどで財布を出さなくても、設置しているカメラへの顔認証で決済を完了させることができる。参画ホテルでは、鍵を持たずにキーレスで客室へ入ることができ、テーマパークでは顔認証でチケットを購入、専用の入口から顔パスで入れる。 顔認証により取得したデータは匿名化した上で、どのような属性の観光客がどの施設を利用しているか、またどのように地域内を回遊したか等を統計情報として把握することが可能。各施設での効果的なキャンペーンやデジタルサイネージ広告に利用していく。

<安全対策>

訪日客対応へバイリンガルAEDを導入(アパホテル

アパホテル株式会社は、年々増加傾向にある訪日外国人利用客に対する安全・危機管理対策の徹底のため、2018年から英語の音声が流れる「バイリンガルAED」の導入を決定。2020年東京オリンピックパラリンピック競技大会の開催までに順次設置していく。 導入するのは、日本光電工業株式会社製のバイリンガルAED。日本語と英語での音声メッセージが流れるほか、同ホテルに従来から設置しているAEDより耐用年数が2年伸びて8年となり、小型軽量化されている。外国人比率が30%以上のホテルから優先して設置していく。 アパホテルでは現在、通常のAEDを全館に設置。社員の1800人以上が救急講習に参加している。

<受入環境整備>

タブレット型言語音声翻訳サービス「対面ホンヤク」(パナソニック

パナソニック株式会社では、タブレット型の多言語音声翻訳サービス「対面ホンヤク」を提供している。対面での接客が通訳なしでできるよう、サポート。目的の場所を言うだけで地図を表示できる地図検索機能、固有名詞など翻訳されにくいワードをあらかじめ登録できる単語登録機能、よく使うフレーズを登録できるマイフレーズ機能など、接客する際に役立つさまざまな機能を搭載。観光案内所やホテル、空港、飲食店、商業施設、観光施設での活用を想定している。日本語、英語、中国語(簡体/繁体)、韓国語、タイ語インドネシア語ベトナム語スペイン語、フランス語、ブラジルポルトガル語に対応。 導入事例としては、愛知県岡崎市の観光案内所などがあり、大きな課題となっていた増加する外国人観光客とのコミュニケーションに役立っている。

<資源保全

財源確保のため旧家屋を修繕し宿坊に(京都市仁和寺

世界遺産仁和寺京都市)では、主な収入源である拝観料が近年、減少の一途をたどっており、建造物などの修繕・維持に十分な財源が確保できていなかった。 そこで、境内の旧家屋を改築し、宿坊「松林庵」をオープンさせた。海外からの富裕層をターゲットにし1泊100万円(税別)。1日1組限定で最大5人まで宿泊でき、食事などは別料金。宿泊者は、僧侶がガイドするプライベートツアーに参加したり、閉門後に仁和寺の「御殿」を貸し切りで利用したり、世界遺産仁和寺を間近に日本文化が体験できる。希望すれば、生け花や雅楽の鑑賞なども楽しめる。「松林庵」は木造2階建てで延床面積は約160平方メートル。総工費約1億5,700万円をかけ、家屋の改築や庭園の整備をした。改築費のうち約8割が日本財団の「いろはにほんプロジェクト」*...からの助成金でまかなわれている。 2018年春より受け入れ開始し、2019年8月時点で、延べ9組48人が宿泊した。